精油の官能評価
官能評価とは、人が五感を使って行う評価のことです。精油はガスクロマトグラフィーである程度は分析できます。しかし、機械では検出できない成分が多くあり、それが精油の品質に大きな差を生んでいます。科学が進んだ現在でも、人の鼻のほうが圧倒的に敏感です。
官能評価(Sensory evaluation)とは
官能評価(別名:官能検査、官能試験)は人間の感覚(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)を使って行う試験のことです。例えば、機械だと塩の濃度は%で計測されますが、人が評価すると、例えば砂糖の存在によってしょっぱさを弱く感じます。つまり、人間が評価することにより、総合的に感じる感覚を評価することができるのが特徴です。
官能評価は大きく分けると、分析型官能評価と嗜好型官能評価の2つの方法があります。分析型は、塩味の強さ、香りの強さなどを点数で評価していきます。一方嗜好型は、総合的な嗜好性などを評価します。いずれの方法でも、人が行う方法なので機械ほど正確な数値が出るわけでもなく、人や人の状態によるばらつきは大きいのが問題となります。
精油の官能評価
精油はガスクロマトグラフィーで90%以上の成分を同定することができます。しかし、残りの成分が精油の香りを評価するうえで非常に重要です。そこで、ガスクロマトグラフィーで分析できない成分は、人が鼻で評価することとなります。
明らかに偽和されている精油の場合は、ガスクロマトグラフィーで分析することにより、判別することができます。入っていないはずの成分が検出されることもあります。しかし、偽和の技術も飛躍的に向上しているため、分析してもわからないように巧妙に混ぜられている場合もあります。偽和されている精油は、香りが非常に単調で、奥深さに欠けるという特徴があります。あまり分析表に頼らずに、自分の鼻を使った官能評価でしっかりとした精油を選ぶことが重要であると考えます。まずは、本当の精油の香りを頭に入れておくと、精油の品質を判別することができるようになります。つまり、本物を知るということです。
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